親名義の家
●親名義の家(おやめいぎのいえ)
親名義の家を子がリフォームする場合、注意が必要なことをご存知でしょうか。
自宅のリフォームは、相続税対策として抜群の効果を発揮します。ですが、そのための準備やタイミングに注意が必要です。その点を間違えてしまうと、節税どころか、別の税金を払うことになり兼ねません。
親が高齢の場合にはローンを組むのが難しい為、「親名義の自宅を同居の息子や娘がローンを組んでリフォームをする。」 よくお話を聞くケースだと思います。
ですが、このような場合、事前に準備をしておかないと、更に出費が嵩むこともあるのです。
●親名義の家のリフォームには要注意!
「自分も一緒に住んでいる自宅を自分の負担でリフォームして何が悪いの?」と思われるかも知れませんが・・・
親は、子供から利益を受けたものとして贈与税の対象となってしまいます。
リフォームの金額によってはとんでもない金額の贈与税が親に発生する可能性があります。
子は、自分の名義ではない実家のリフォームをしても「住宅取得控除」の対象とはなりません。
このような状況を防ぐ為、事前に対策を考えましょう。
●親名義の家を子がリフォームする場合 対策は?
では、どうしても親名儀のままリフォームせざるを得ない場合、どのような対策があるのでしょうか。
〇リフォーム費用を親と子で負担した場合
◆自宅の1/2(500万)を親から子が現金で購入し、リフォーム費用を親(500万)と子供(500万)で負担した場合
贈与税 ・・・発生無し
親 ・・・「譲渡所得」となり、所得税が発生する場合があります。
子 ・・・条件によりリフォームした部分の金額につき「住宅取得控除」が受けれます。
※住宅取得控除については500万円が計算の基礎となります。
◆自宅のすべてを親から子供に譲渡し、リフォーム費用は子供が全額負担した場合
贈与税 ・・・発生します
※「相続時精算課税制度」を選択した場合には特別控除額の範囲となる為、贈与税額は発生しません。
子・・・リフォームした金額は「住宅取得控除」が受けれます。
※住宅取得控除については1000万円が計算の基礎となります。
詳細は国税著ホームページにも書かれています。
【参考】父親が所有する家屋について増改築をした場合(国税庁HPより)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/06/07.htm
●相続対策としての自宅のリフォーム
「相続税」と「リフォーム」
一見交わらない内容と思いがちですが、実は「リフォーム」をすることによって、大幅な「相続対策」にる場合があります。リフォームは相続(相続税)対策ととても相性が良く、節税効果が見込めます。
●相続税対策に有効?! 自宅のリフォーム
例えば、現金で1,000万円の相続が発生すると、その全額が相続税の対象となります。一方、この1,000万円でご自宅のリフォームをしても、ご自宅の固定資産税の評価額は変わりません。
※建物の場合、固定資産税 = 相続税評価額となるためです。
そのため、リフォームをしてきれいな自宅になっても自宅の評価額は変わらず、現金分の1,000万円がまるまる相続税の対象外となり、「節税効果が抜群」となります。
この対策について国税庁ホームページにも「質疑応答事例」が公開されています。
【参照】増改築等の金額の判定(国税庁HPより)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/06/06.htm