不動産のリースバックというものをご存知でしょうか。リースバックとは、リバースモーゲージとほぼ同じ経済効果をもたらす手法です。では、リバースモーゲージと何が違うのでしょう。ここでは、メリット、デメリットを含めて、リースバックについて相続の専門家がわかりやすくお伝えします。
1.リースバック リバースモーゲージ 違い
リバースモーゲージが不動産を担保に資金調達をする形に対し、リースバックは、自宅不動産は売却し、賃貸契約を締結することで居住し続けるという形になります。
リースバックは、不動産取引
自宅売却し、その売却した自宅に今度は賃貸という形で住み続けることができます。
リバースモーゲージは、金融商品
自宅を担保として、融資を受けながら、亡くなるまでそのまま自宅に住み続けるこができます。
返済は毎月、利子のみなので、支出が低く済みますが、亡くなった後、返済残額の精算のため金融会社によって自宅は売却されます。
2.リースバックのメリット
リースバックのメリットは、自宅の価値を最大に利用して資金を調達できる事です。 また、自宅の所有権は手放しますが、住み続けることができるのが最大のメリットです。 リースバックのメリットは以下のような内容が考えられます。
◎周囲には気づかれない
近所の方や友人も、よもや自宅をリースバックで売却したと気づかないかと思います。
◎金利がかからない
リースバックはお金を借りるのではありませんので金利もかかりません。 リバースモーゲージが借りる人の審査が厳しいのに比べ、リースバックはお金を借りる訳では無いので取り組みそのものの審査はございません。
※但しリースバックの場合、その後の賃貸借契約が確実に履行できるかの審査がございます。(賃貸保証会社に保証をしてもらう必要があります。)
◎自宅の管理費用が安くなる
リースバックする事により、固定資産税等の税金はかからなくなります。 その点では自宅の管理コストが安くなるメリットはあります。
◎自宅の買戻しができる
3.リースバックのデメリット
リースバックには、大きなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
所有権の移転
リースバックは賃貸借契約が元所有者との間で交わされるものですが、当然のことながら、不動産の所有権を手放すこととなります。所有者であった時の精神的な充足感は減少するかもしれません。
家賃を払い続ける必要性
リースバックは、賃貸借契約に基づき不動産の購入先に、家賃を払い続ける必要があります。
賃貸借契約が遵守されないリスク
賃貸借契約の内容によっては賃料上昇のリスクやリースバック条件を遵守しない買主に不動産の所有権が移転してしまうリスクがあります。
売却価格が安くなるリスク
売却価格が通常の売却とは異なり、市場性の低い売買となるため、売却価格が安くなってしまうリスクがあります。
家賃保証会社に加入が必要
4.リースバックを利用するには
リースバックを利用するにはいくつかの条件があります。
リースバックを利用できる人
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- 認知症などの意思決定に問題が無い人
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- リースバックに対して家族の理解を得た人
5.リースバックの終了
リースバックの終了は他に住む家が決まった場合、賃貸借契約に基づき退去する事により終了となります。
住み慣れた自宅を離れて、新規一転、娘や息子家族と住む、安い都営住宅等、自治体が運営する住宅へ入居する等が考えられます。
リースバックの契約を終了するには、通常の賃貸借契約と同じように1か月前の退去予告で終了が可能となります。
リースバックについての詳細はこちらからもご参照いただけます。
まとめ
リースバックとリバースモーゲージは、今の自宅に住み続けることができるという点では同じです。
また、リバースモーゲージは、高齢者に適した金融商品との認識が高いかと思います。ですが、実際のところ問題も多く、注意が必要です。
正直なところ私は、リースバックという手法に、終の棲家を維持する可能性を感じております。大切なご自宅です。安易に考えず、早めに専門家に相談することをお勧めします。